松本剛志の考えること
by matsumo5402
協力
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近代化が人間に対して提唱した、あるいは強化した考え方の中で最も重要なことは「協力すること」ではないかと最近思います。または「give and take」「network」

人間は近代化するにつれて、一人では周りの全てを背負いきれないことを実感していったはずです。それはモノに関してもコトに関しても。ある意味で全ては取得可能だが、全てを保持しておくことは不可能である。ドラクエの道具袋やジョブチェンジの考え方ですね。人間にはキャパシティがあることを実感していったはずです。そして、そのような実感は、個人の単位を越え、自治体、そしてもはや国の単位においてさえも顕在化していったはずです。

改革を経て、近代化を遂げた国々は我先に、他の国々と関係を結ぼうとしました。自国だけではまかないきれないことが多すぎるから。クラス替え後の学生のように、孤立しないように、みんながみんな、他の国と関係をもとうとするわけですから瞬く間に大きな国家間のネットワークが形成されました。それに連続して一つの国家の内部においても緻密なネットワークが形成されました。

だから何なのかというと、僕は、今の世の中に革命が起きるということは難しいことなんだろうな、と思うということです。改革によって再構成された現在の世界は、一方で改革に対して非常に強い耐性を持つ世界なのだと思います。例えば革命的に改革を起こそうとして、改革者が電気や水の供給に対するバックアップ対策を持っていなかったとしたら、改革は成功しないと思うんです。そしてインフラのバックアップなんて不可能に近い。現在のインフラは緻密で全体的なネットワークなのですから。

というわけで、改革を起こすためにはまず、ネットワーク上に切り離し可能なポイントをいくつも作る必要があるのではないかと思うのです。そして切り離される単位ごとに完結したネットワークを構築する。自己完結するネットワークを入れ子状にひたすら展開させる。これは、テクノロジーの発展によって人間のキャパシティが格段に上がった現代ならば可能だと思うのです。

切り離せないから切り離れないのではなく、切り離せるけれどもあえて切り離れないという関係性の方が、希望があるように思うのです。

無脊椎動物から脊椎動物への進化のようなものですかね。ちょっと違う気もしますが。あ、あれかな、合体ロボ的な感じかな。


まあ、とにもかくにも最近、人間の構築したインフラネットワークの緻密さにものすごく驚いているわけです。とても手強いです。



author:松本剛志
by matsumo5402 | 2009-01-23 07:48 | 雲り
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