松本剛志の考えること
by matsumo5402
しゅうまい
最近、うちの学校では久しくご無沙汰していた“しゅうまい”が再開された。
後輩のA君がとても頑張ってくれている。まずは感謝。参加しているメンバーのモチベーションの高さもとても気持ちいい。


ちなみに、“しゅうまい”とは“毎週住宅を作る会”の略である。文字通りの意図としては、毎週メンバーそれぞれが考案した「住宅」作品を持ち寄って、それらをネタに議論をおこなうというものであるのだろう。ただ、この“しゅうまい”は全国展開されているし、まあまあ歴史もあるようだから、本来の意図はもう少し違う射程を捉えていたかもしれない。

九州(というか芸工大)においては、もっと幅広く“住宅に(直接/間接に)関係するもの”というように捉えて、都市からインテリア、家具、あるいはもしかしたらグラフィック等の類いであっても、とにかく議論のネタになりそうであれば持ち込んできてもオッケイやろ、というようなスタンスをとっている。

ただし、毎回テーマは設定している。僕自身の考えとしてはもう少しテーマを軸とした議論が展開されるようになれば面白くなるだろうと思う。CIAMでも毎回テーマは設定された。CIAMの解体はメンバーの報告(ネタ)が共通のテーマを向かなくなってきた(エントロピーが増大した)時に起こった。“しゅうまい”はCIAMの縮小版として捉えることも可能だ。よってこういう場に参加する場合は意図的にある程度は共通のテーマを志向しなくてはならない。
かつては“しゅうまい九州”でもテーマを軸とした一貫した議論が展開される時期もあった。その後は参加者が徐々に減ったこともあいまって、作品の個別講評的な状況が主となってしまったのが少々残念なところではある。これはこれからの課題である。

それから、共有のテーマを志向するとはいっても、“しゅうまい”は統一的な意思を備えた運動体にはなるべきでないように思う。CIAMはル・コルビュジェの意思の体現としての実体となってしまったという一面がある(一般的な認識としては)。個人的には、この状況は非常に残念な事態なのであるが、その問題意識は僕の修論のテーマにも連続している。
“しゅうまい”はあくまで「場」としての存在に留まるべきであると考えている。どのような価値観、どのような背景を持った人間であっても自由に出入りできる「場」であるべきなのだ(と思う)。
統一的な意思を備えた団体が“しゅうまい”から排出されることには何の問題もない(というかむしろ喜ばしい)のであるが、“しゅうまい”自体が強い意思を持ってしまうことには注意すべきである(と思う)。


まあ、そういういろいろは抜きにしても、わきあいあいとフラットに議論できる場があるということがとても楽しいと思いませんか?
大学で歳をとるとTAなどで学部生にアドバイスをするという機会はもちろんあるのだけれども、そこには必ず授業であったり単位であったりの学校特有の制度が入り込んできて、フラットな議論は絶対に成立しない。それはそれで必要なのだけれども、そこに安住してしまうのは危険だと思う。常に自分もチャレンジャーであるべきと思います。そういう状況は個人の気の持ちようで如何ようにもなるのだけれども、キッカケが掴めないとかいう人にとっては“しゅうまい”の利用価値はとても大きいはず。

とにもかくにも、自分自身、学部の若いうちから、この“しゅうまい”という「場」に参加させてもらって、建築を考えることの楽しさを知ったし、それは同じように建築を楽しく考えている先輩であったり友人や後輩なんかと出会えたのが一番の収穫であった。これはこの大学に入ってよかったと思える主な理由であるような気がしている。

だからというわけではないのだけれども、ぜひこれからもそういう“場”がずっとあってくれれば、この学校がまだまだ楽しい“学びの場”として機能してくれるのではないかなー、と期待しているのです。もし誰かにとってこの学校が単なる“苦痛の場”でしかないとしたら、とてもいたたまれない。“苦痛”はかならず“快感”に変わるようにしておかないと。笑)



最後に。大学に入って悔しい思いを何度もしながらここまで来たし、これからも、そして卒業した後もその連続だと思うんだけど、僕は「悔しさ」と「楽しさ」というのは裏表だと思っているのです。成長とか進歩とかっていう言葉は僕は全然好きではないのだけれども、何かしらそういう「前に進む」ような感覚があるとしたら、「悔しさ」を「楽しさ」に繋げれた時ではないかなと、何の根拠もないけれど経験的にそう感じている。つまりは、「負けず嫌いであれ」、ということではないかと。そしてその負けず嫌いさをいかんなく発揮する場としては“しゅうまい”はあまりにもピッタリすぎるのではないか。とね。

という、“しゅうまい”の宣伝でした。このブログを読んでくれてる人で誰か参加してくれたらとても嬉しい限りです。


author:松本剛志
by matsumo5402 | 2009-06-11 15:09 | 晴れ
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